まるでドラマの一場面のようなラブホテル帰りのカップルの繰り広げたドラマ。

俺の通勤ルートにはラブホ街がある。

あまり大きいラブホではないが、7軒か8軒くらいのラブホが立ち並びぶ。
通行量も少ないので、利用者にとっては使いやすいのではないだろうかと思われる場所だ。
(残念ながら俺はまだ利用したことありません)

昨夜の仕事帰りにそのラブホ街に通りかかった。
時間は午後11時頃だった。

すると1軒のラブホから車が出てきて、俺の車の後ろを走ってきた。

「こんな時間なら、お泊りしてくればいいのに」

そう思いながら、信号待ちになったとき何気にバックミラーで覗き見。

運転している男は40代くらいで、助手席の女は20代後半くらいに見えた。
俺の車のブレーキランプの赤い灯かりに照らされて2人の顔の表情はあまり分からない。

「何か羨ましいな」

ラブホなんてもうどれくらい入っていないだろうか。
実は妻とは一度も行ったことがない。

そんなことを考えながらルームミラーに映るラブホお帰りカップルを眺めていた。

でも、何か変だぞ。

ミラーに移る2人の表情は、お互い不機嫌そうに見える。
会話するでもなく、窓から外の風景を見るように、2人ともそっぽを向いていたまま。

「何があったんだ?」
「せっかくラブホから出てきたんだからもっと仲良くしてろよ」
「男が早かったのか?」
「お互いに満足できなかったのか?」

「そもそも、2人の関係は?恋人?夫婦?不倫?ナンパ?」

ミラーに映るカップルの態度に、俺の想像は大きく広がる。

信号が青になり車を進めると、その車も方向が一緒なのか俺の車の後をついてきた。
暫く走って、再び信号待ちとなった。
その時にはもう俺も関心がなくなってしまっていて、ラジオから流れる音楽を口ずさんでいたが、

バタン!!

ドアの閉まる音で、バックミラーに視線を走らせた。

何やら、女の方が、

「冗談じゃないわよ!」

と言う捨て台詞をはいて車を降り、そのままヒールの音を響かせながら歩道を歩いてくる。

俺の車の横を足早に通り過ぎる女。
彼女の目尻に涙が見えたような見えないような。

信号が青に変わり俺は車を走らせ、その女の横を通り過ぎながらバックミラーに目をやる。
女を乗せていた車はそのまま交差点を右折し、女を置いたまま何処かへと消えていった。

何だかドラマのワンシーンを間近で見たようにドキドキしてしまった。

あれから女がどうなったのか?
相手の男がどうしたのか?

今日はそのことが、ちょっと気になってしまっている。

 

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