自白

似非一穴主義者は職場の彼女を駅まで送り届け家路へ着く。
帰宅したら、妻は買い物に出掛けていたのか不在。

少し安心する。

どんな顔をして妻を見ればいいかわからなかったから。

しばらくすると妻が帰宅。

「お帰り」

「ただいま」
「そろそろ、また緊急事態になりそうだから、買い込んできた」

買い物袋をぶら下げて玄関に立つ妻の荷物を受け取る俺。

「うん、いっぱいだね」

まだ、冷戦状態からは抜けきれていない俺と妻。
ちょっと会話はギクシャク。

しかも浮気心が顔を出してしまっていた俺だったからなお更。

「お風呂は?」

「洗って沸かしといたよ」

「ありがと、先に入ってから食事作るね」

何となく、会話も冷めて感じる。

その日は、罪悪感もあったのか、なかなか寝室へと入れない俺。
ようやく寝室に向かったのは、深夜近くになってからだった。

寝室へ入るとベッドで本を読んでいる妻の姿。

「寝てないの?」
「うん、待ってた」

妻の目を見詰める俺。
いくら冷戦状態にあっても、やっぱり俺が惚れているのはこいつなんだな。

「話しがある」

「ん?何?」

俺はその日の出来事を包み隠さず妻に話した。

さっき書いたような内容の殆どを、
うーん、若干の脚色があったかもしれないが、全て話してみたんだ。

妻に隠し事はしたくなかった。
これが浮気に該当するか否か、妻の判断に委ねようと思った訳だ。

黙って俺の話しを聞いていた妻は、

「『誰でも浮気するよ』って言った翌日にはこれなの?」
「結局、男ってそんなもの?」
「あなたもそこいら辺の男と一緒なの?」

返答が出来るわけがない。
返事をすれば、それは全て「言い訳」でしかないのだから。

「ごめんなさい、今日は考えられないので先に寝ます」

呆れた声で俺にそう言うと、妻は布団を被って寝てしまった。
いや、間違いなく呆れちゃったんだろうね。

朝も出勤する俺に言葉も掛けてこない。
当たり前か。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました