無駄な嫉妬はしても意味がない。

家に帰り着くと妻はキッチンで夕飯の準備中。

「ただいまー」
俺はキッチンに立つ妻に声を掛ける。

「あ、お帰りなさい」
妻は中華鍋をかかえながら返事を返した。

俺は寝室で着替えを済ますと、
キッチンに戻り、
邪魔をするかのごとく妻を後ろからいやらしくハグ。

「もう、邪魔しないでよ!」
お叱りの言葉を頂いたあと妻の頬に軽くキスをして、
そのまま換気扇の下で一服。

換気扇の下は、我が家で、
ベッドの次に妻と過ごす時間が長い場所だ。

換気扇の下。
食事の準備をする妻と煙草を吹かしながら、
今日の出来事を語り合うのが日課のようなものだ。

「あ、そうだ」
「昨日ね、変な夢見たんだ」

と、野菜を切りながら妻。

「どんな?」

と、煙を吐きながら俺。

「あのね」
「夢の中で、わたしまつじゅんと付き合ってるの」

「羨ましい?」

自慢気にそう語る妻。

「なんで俺が羨ましいがる?」
「つーか、お前、ファンに恨まれるぞ」

と返す俺。

すると妻はにんまり笑って、

「妬いた?」

と聞いてくる。

「はあ?」

呆れ顔の俺。

「あれ?嫉妬しないん?」

「まつじゅんにジェラシー感じない?」

俺は無言で煙草を揉み消し、
トイレへと向かった。

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