金曜日の晩、帰宅後に緊急の呼び出しを受け、再度出勤。
二度目の帰宅したときは、もう深夜の1時近くなっていた。
「ただいま」
疲れきった声で呟くように帰宅の合図。
「お帰り、、、遅かったね」
妻はリビングでPCを開きながら返事を返す。
ちょっと怒ったような顔をしながらも起きて待っていてくれる妻の姿には感謝の気持ちで一杯だ。
シャワーを浴びて出てきた俺に、大きなあくびをしながら、
「眠いよ、待ちくたびれたぁ~」
と、言いながら軽くキスをしてくる妻。
「ね、もう寝ようよ」
妻は俺の手を取って寝室へと誘う。
「あれ?」
ちょっと期待心を持ってしまう単純な俺は顔がついニヤケてしまった。
寝室のベッドに転がるように横になる妻。
「眠い、、お休み、、、」
あれあれ!?
やっぱり期待させただけなのかい?
横になった妻に、キスをする俺。
もちろん俺のキスは、さあ、今からセックスしようよの「お誘いのキス」。
妻は、単純に「お休みのキス」。
両者の感覚には大きな隔たりがあったが、
妻はどうやら俺のキスの意味を察してくれたようだった。
そして、
「ごめん、、駄目、もう眠いんだ、、、」
と、妻は申し訳なさそうに呟く。
やっぱりね。
最近は大きな期待を持たないように心がけているから、
断られたときのダメージも小さいのだ。
これは新しく芽生えた「一穴主義防御システム」の一種なのかもしれない。
「まあ、いいか、、」
妥協と言うシステムが構築されてきているのだな。
でも、拒否され続けるのも面白くないな。
そう考えた俺は、眠りにつこうとする妻にそっと手を伸ばした。
へへへ、続きますよ。
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