解禁じゃなかった土曜日の夜。
「先にお布団はいるね」
「んー、一服したら俺も寝るよ」
先に寝室へと向かう妻。
どうやら今日はまだ解禁じゃないかな。
近ごろは妻の仕草や言葉遣い、そして俺の下半身反応の状況で解禁日がわかるようになってきている。
まだ解禁日でないことを悟った俺は、喫煙室(キッチン換気扇前)で一息ついた。
一服が終わると歯磨きを済ませて、先に横になっている妻の隣に潜り込む。
すると、妻が俺に聞いてくる。
「ね、ティッシュ持ってきた?」
「いや、持ってこなかった」
俺がそう答えると。
妻は、おもむろに俺のパジャマのズボンに手を差し込み、下着の上からおちんをそっと摩りながら、
「これが、ティッシュを使うの、、ね、持ってきて、、」
と、俺を上目遣いに見ながら唇を重ねてきた。
そして、トランクスの脇から手を入れ込んできて直におちん握りしめた。
俺のおちんに体中の血液は下半身だよ全員集合!
ドクンドクンと脈を打ち始める。
「え?」
「OKなのか?」
「今夜は営めるんか?」
自分の予想が外れてしまったが、嬉しい誤算だよ。
意気揚々とティッシュを取りにいく俺。
ティッシュを枕元に置いて、さっそく妻の体に手を伸ばす。
「だめよ、まだ終わっていないの」
と、俺の手を振り払いながら妻は微笑む。
「え?」
キョトンとする俺に、
「花粉症で鼻が出るからティッシュがいるの、、」
「もうちょっと、我慢して」
俺にキスしながら妻は耳元で囁く。
「だったら、最初っからそう言えばいいだろ」
「思わせぶりして」
さっき妻に摩られた俺のおちんははちきれんばかりにギンギン!になってしまっていた。
「ごめん…」
「ごめんじゃねーよ」
「大丈夫、ちゃんとおさまるから大丈夫よ」
と言って俺をぎゅっと抱きしめ、静かに唇を重ねる妻。
ここまできたら「何とかやってしまいたい」俺。
ちょっと悪戯しちゃったけれど「今日はしたくない」妻。
互いに抱き合い、唇を絡めながら水面下の攻防は続いた。
そして、軍配は妻へと上がった。
「はあ、、、」
大きなため息を吐き、抱きついている妻の体を引き離し、
「じゃあ、もういいよ、寝よ」
不機嫌そうに、そう言って俺は目を閉じた。
「ねえ、怒ってる?」
「怒ってないよ」(本当は怒っている)
「じゃあ、拗ねてる?」
「拗ねてないよ」(けっこう拗ねている)
「そう?じゃあ、おやすみ…」
俺の頬に優しくキスして妻は眠りにつく。
「おいおい、本当に寝るんか?」
悶々としながら怒りがおさまらない俺は、ある決心をした。
【今度、妻からのお誘いがあったら、一度拒否してやる!】
まるで子どもの発想だが、俺はそう心に決め、
おさまらない怒りと欲望をなだめながら、眠りに入っていった。
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